インフルエンザってどんな病気？
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こる感染症で、38℃以上の高熱・強い全身倦怠感・関節痛・頭痛などが急にあらわれるのが特徴です。
特に「風邪とは別物」と言われるほど症状が強く、日常生活に大きな支障をきたします。
基礎疾患（糖尿病・心疾患・喘息などの慢性呼吸器疾患・腎臓病・高血圧・免疫力が低下する病気など）を抱える方や高齢者では、肺炎や心不全などに進行し、入院につながるケースも少なくありません。
小さなお子さんでは、まれにインフルエンザ脳症を引き起こすこともあります。
感染経路は主に咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」です。ウイルスは手についた状態で口や鼻を触ることで「接触感染」することもあるため、正しい手洗いとうがい、アルコール消毒は有効な予防手段です。アルコールはインフルエンザウイルスの膜（エンベロープ）を壊すため感染力を低下させます。
しかし、子どもはマスクを正しく着用することが難しく、こまめな手洗いやアルコール消毒も徹底しづらいため、学校や保育園などで感染が広がりやすく、家庭内に持ち込まれることも多いです。「家族全員が順番に発症する」という状況もよく見られます。
ワクチンってどんなもの？
日本で使用されるインフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」といって、感染力をなくしたウイルスの一部を使い、免疫に「インフルエンザが来たときに戦える準備」をさせるものです。
接種してから体の中で抗体が十分に作られるまで約2週間かかります。
抗体価（＝ウイルスと戦う力）は個人差がありますが、一般的に3〜5か月程度持続するとされています。
インフルエンザの流行は12〜3月頃がピークとなるため、10〜12月初旬頃までの接種がもっとも効果的です。
接種するメリット・デメリット
メリットとしては「発症をある程度防ぐ」「かかっても重症化を防ぐ」ことが挙げられます。
症状が軽く済むことで仕事や学校を長期間休むリスクを下げるほか、高齢の家族や乳幼児・持病のある方への感染拡大防止にもつながります。
一方で、副反応として接種部位の腫れや痛み、軽い発熱や倦怠感が出ることがありますが、多くの場合数日でおさまります。
重いアレルギー反応は非常にまれです。
接種できない人・接種後の注意点
過去にワクチンで強いアレルギー（アナフィラキシー）を起こした方や、当日に高熱がある方などは接種できない場合があります。
卵アレルギーがある方は事前に必ず医師に相談しましょう。
入浴は問題ありませんが、接種部位をこすったり揉んだりしないようにします。
また、激しい運動や過度な飲酒は、体調を崩したり接種部位の腫れが強く出てしまうきっかけになるため当日は控えましょう。
ワクチンを接種したから無敵というわけではありません。
ワクチン接種から実際に体内に抗体（免疫）がつくまで約2週間かかります。実際、ワクチンを接種した翌週にインフルエンザにかかってしまったという患者様もいらっしゃいます。
またインフルエンザワクチンはその年の流行株を予測した上で、A型・B型それぞれ複数のウイルス株をカバーできるよう作られています。
しかし接種した株と実際に流行したウイルス株が違った場合、ワクチンを接種したからといってその効果は期待できません。
その為、ワクチン接種後も油断せず、手洗い・うがい・アルコールによる手指消毒やマスクの着用など基本的な感染症対策は継続しましょう。
自治体からの補助金を活用しましょう
インフルエンザは「誰でもかかる身近な病気」でありながら、時に重症化し、生活や家族に大きな影響を及ぼすことがあります。
ワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、「重症化を防ぎ、安心して冬を過ごすための心強い味方」です。
ご自身の健康を守るため、そして家族や周りの人への思いやりの一歩として、流行前の接種をぜひご検討ください。
当院でもインフルエンザワクチン取り扱っております。毎年10月後半から接種される方が増えております。
予約接種だけでなく当日の受付も行っておりますので、ご検討中の方はぜひお問い合わせください。
インフルエンザワクチンは国としても接種を推奨されています。
特に基礎疾患が増えてきたり、感染すると重症化しやすくなってくる高齢者は自治体からのを助成を受けられるケースがほとんどです。
医療機関によって助成を受けられる自治体の範囲が異なりますが、当院では伊奈町だけでなく埼玉県ほぼ全域の助成に対応しております。（自治体からの助成を受けられる方はお住まいの自治体で発行される問診票が必要となりますので、ご持参をお願いします。）
ワクチン接種を通してみなさまの健康管理のサポートができれば幸いです。ご不明点やご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
