【公式】おおつ消化器・呼吸器内科クリニック|胃カメラ・大腸カメラ 埼玉県北足立郡伊奈町

「痛み」の少ない・無痛を目指した「大腸カメラ」|埼玉県伊奈町

ただ、大腸カメラと聞くと「検査中だけでなく終わった後ものたうち回るほど苦しかった」「冷や汗が出るほどの激痛でもう二度とやりたくない」といった意見も多く、今まで他院で検査を受けた経験がある方もそうでない方もなかなか一歩を踏み出せないもの。

今回は、そんな大腸カメラの痛みの正体や痛みを感じにくくするための対処法当院の取り組み等を分かりやすく解説してみたいと思います。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」ではありませんが、大腸カメラを少しでも知っていただくことで、必要以上の不安から解放され、検査を受けることに前向きな気持ちになっていただけると幸いです。

大腸カメラにはどんな痛みがある?

まず、大腸カメラの痛みや苦しさについて解説していきます。一概に「痛み」といっても、痛みの種類って色々ありますよね。

患者様からも「どんな痛みなんですか?」「どのくらい痛いんですか?」といったご質問を頂くことが多く、大腸カメラにおける大きなハードルのひとつがこの「痛み」という部分だと思います。

結論から申し上げると、「痛みの感じ方は人それぞれ」です。ただ、そういってしまうとそれまでで終わってしまうので少し補足しますと、

例えば「ガスや便秘でお腹が張るような痛み」とか「何か突き上がってくるような痛み」「お腹の中で赤ちゃんが動いている(または激しく腸が動いている)感じ」と表現されることが多いです。

大腸カメラの痛みを感じる原因とは

では、なぜそのような痛みが生じるのでしょうか?

大腸カメラで痛みを感じる原因は、大きく分けて2つあります。1つは下部消化管内視鏡スコープ(以下、スコープ)挿入時の痛み、もう1つは大腸を観察する際に大腸の管内にガスを充満させることでお腹が張ることによる痛みです。

1.挿入時の痛み

当院での大腸カメラの進め方と併せてひとつずつ詳しく解説していきます。
まず肛門からスコープ挿入する際、そのまま挿入すると当然肛門の痛みを伴う為、潤滑油の意味を含めて表面麻酔のゼリーを塗布します。

ただ、これはあくまで表面麻酔なので、肛門の痛みを緩和するだけとイメージしてください。

基本的に、大腸の管内に痛点(痛みを感じる神経末端)はありません。スコープがこすれた刺激で痛みを感じるのは肛門だけです。

長い大腸全体に表面麻酔を塗布することはできませんし、その意味もないのです。

あれ、ちょっと待って、大腸に痛点がないなら大腸カメラの痛みって何なの?という声が聞こえてきそうですが、それは後ほどお話します。


肛門から挿入したスコープは大腸に逆行するかたちで直腸→S状結腸→下行結腸→脾弯曲→横行結腸→肝弯曲→上行結腸→回盲部の順に奥へ奥へと挿入していきます。

その際にいくつか大腸の構造上どうしても挿入が難しくなりやすい(痛みが出やすい)箇所があります。

それが「S状結腸」「脾弯曲」「横行結腸」「肝弯曲」と呼ばれる箇所です。基本的に大腸は後腹膜という臓器によって固定された形をとっていますが、「S状結腸」と「横行結腸」は固定されていません。

その為お腹の中である程度自由がきく、ねじれたりループを作ったりとカーブが多い部位となります。また大腸左上の角にあたる「脾弯曲」と右上の角にあたる「肝弯曲」は、他の臓器との位置関係でカーブがきつくなっています。

さてここで先程の痛みの話に戻りましょう。

大腸の管内に痛点はない、でも挿入時の痛みはある。どういうことでしょう?実は腸管の神経は、筋層や粘膜下層、腹膜といった腸管の外側に広がっており、腸管の内側を刺激するだけでは痛みは感じないようになっています。

そうでないと食べ物が通っただけでこすれて痛みを感じてしまいます。ただし、収縮・痙攣・拡張等腸管の外側まで刺激が伝わるようなことが起きると痛みとして認識します。

大腸は蛇腹のホースのような構造をしており、そのままスコープを進めようとすると自然と大腸が押し伸ばされてしまいます。

それが曲がりくねっていればなおのこと、スコープを進めようとすると固いスコープが腸管に強く当たり、大腸が押し伸ばされます。

つまりスコープを挿入していく過程で腸を「押したり」「伸ばしたり」という刺激によって「突き上がってくるような痛み」や「何かが動いているような痛み」が生じるという仕組みです。

当院ではこの「押したり」「伸ばしたり」という刺激を最小限に抑えるよう「軸保持短縮法」という手法を取り入れています。詳細は後ほど解説致します。

2.お腹の張りによる痛み

さて、大腸の一番奥までスコープが到達したら、いよいよ観察を始めます。実はこの大腸カメラ、挿入の段階では観察まではなかなかできません。

観察するには腸管内をガスで満たし、人工的にお腹を張らせる必要がありますが、挿入の段階でガスを注入してしまうと挿入に時間がかかり、苦痛を長引かせてしまうからです。

そのためまずは一番奥まで挿入し、そこから挿入と逆に回盲部(小腸も手前十数cmは観察可能です)→上行結腸→肝弯曲→横行結腸→脾弯曲→下行結腸→S状結腸→直腸→肛門の順にガスを注入しながら観察していくという方法をとります。


ガスにより腸管が膨張するため、観察の段階では「お腹が張るような痛み」が生じる可能性があります。苦痛緩和の為、当院では医療用二酸化炭素ガスを使用しています。

二酸化炭素を使用することで、空気に比べ血中への移行が良く残ったガスが血液に吸収されやすい為、腸管内にガスが長時間残りにくいとされています。(※肺気腫やCOPD等体内に二酸化炭素が蓄積しやすい方には使用しません。)

検査中~検査後まで続く苦痛を抑えることができます。またこの痛みは、ガスを出すことで緩和されます。人前でガスを出すことに抵抗がある方も多いかもしれませんが、あくまでこちらで人工的に注入しているガスです。遠慮せずに出していただいて結構です。

痛くない大腸カメラ検査にするコツ

当院では、苦痛緩和に向け様々な取り組みを行っています。

【軸保持短縮法】

前述のように、腸管は「押されたり」「伸ばされたり」することで痛みを感じやすくなります。つまり、無理に押したり伸ばしたりせず直線的にスコープを挿入していければ痛みを感じずに検査を進めることが出来ます。

先ほど触れた「軸保持短縮法」は、蛇腹になった腸管をスコープを使って手繰り寄せて畳み、捻じれやループを解除し形を整えながら挿入していく方法で、無理に押したり伸ばしたりすることがないため痛みを抑えることが出来ます。

【安心・納得できる医療の提供】

大腸カメラの苦痛の程度については、医師の技量が大きく影響するのも事実です。軸保持短縮法も全ての医師・医療機関が出来るものではなく、十分な症例と経験を積んだ医師のみができる手法です。

当院では、消化器内視鏡専門医でありさいたま赤十字病院を中心に数千の症例を積んだ院長が診察から検査・結果説明まで一貫して行うことで、安心・納得して検査を受けていただくことが可能です。

【二酸化炭素の使用】

前述の通り、大腸カメラの観察中には腸管内にガスを満たし、視界を確保する必要があります。当院では観察時に使用するガスを二酸化炭素とすることで、観察中~検査後のお腹の張りによる苦痛を軽減しています。 ※肺気腫やCOPD等体内に二酸化炭素が溜まりやすい疾患をお持ちの方には使用できません。

【鎮静剤・鎮痛剤の使用】

痛みの感じ方は人によって違い、また体型や手術歴等によっては軸保持短縮法での挿入が困難な場合もあります。

大腸カメラ自体が初めてだったり以前苦痛が強かった経験などから不安や緊張が強い状態だと、普段よりも痛みに敏感になることもあります。鎮静剤や鎮痛剤を適宜使用することで痛みを抑えた検査が可能になります。

検査後の安静や運転等に制限がありますが、初めての方や不安の強い方には鎮静剤の使用をお勧めします。 鎮静剤:薬剤によってボーっとした、ウトウトした状態で検査を進めることで痛みを感じにくくします。(検査中に寝返りを打っていただくこともある為、完全に眠り込んでしまう状態ではありません。)

鎮痛剤:薬剤によって痛みそのものを緩和します。鎮静剤と併用することが多いです。

※鎮静剤・鎮痛剤ともに、以下の注意点があります。   

・薬剤により投与後に眠気や集中力の低下等の症状が持続します。当日中は(検査終了後も)自動車・自転車・バイク等ご自身での運転はできません。   

・眠気が醒めてから結果説明をさせていただきます。薬剤の投与状況にもよりますが、30分~1時間程度院内での安静時間が必要となります。   

・向精神薬、抗不安薬等の薬を内服されている方、お酒に強い方は鎮静剤が効きにくい傾向にあります。その他鎮静剤が禁忌等の場合もございますので、ご希望の方は事前の診察でご相談ください。

【下剤や検査食が数種類から選べます】

大腸カメラでは、検査前に2L近くの下剤の服用が必須であり、検査前の排便状況は検査の時間や質に大きく影響します。大腸カメラよりも下剤内服の方が大変という声もありますが、近年では少しずつですが味も飲みやすく改良されてきています。

当院では日頃の便通等の条件にもよりますが、3種類の下剤と2種類の検査食を用意しております。

少しでも大腸カメラへのハードルが下がるよう努めております。

【リラックスできる環境】

大腸カメラは不安や羞恥心等検査前から負担が大きいもの。少しでも安心していただけるよう、事前の疑問点はしっかりと時間をとって解消していきます。

検査中は暗い室内で不安が強くならないよう音楽を流したり、進捗状況等説明しながら進めていきます。また検査後は写真とともに詳しく納得のいく結果説明を致します。

まとめ

いかがでしょうか?楽に大腸カメラを受けていただく為のポイントは以下の通りです。大腸カメラに対する具体的なイメージがつき、少しでも検査へのハードルが下がる一助になれれば幸いです。

1.経験豊富な内視鏡専門医を選ぶ。

2.鎮静剤・鎮痛剤を使用する。

3.前処置はしっかりと。

4.検査中はリラックス。

埼玉県の伊奈町のある「おおつ消化器・呼吸器内科クリニック」では、痛みの少ない無痛を目指した大腸カメラを目指しています。

当院の費用や、検査の流れは下記リンクよりご確認ください。

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