【公式】おおつ消化器・呼吸器内科クリニック|胃カメラ・大腸カメラ 埼玉県北足立郡伊奈町

どうする食中毒

食中毒は、その原因となる細菌やウイルス、その他有害物質が食べ物を介して 体内に侵入・増殖することで、下痢や嘔吐、発熱などの症状が出る病気です。原因物質によって、病気の症状や発症時期(症状が出るまでの期間)は様々ですが、時に命に関わることもある、決して甘く見られない病気です。

一般的に、細菌による食中毒は、気温が高く、細菌が育ちやすい夏場に多く、ウイルスによる食中毒は冬に流行する傾向にあります。原因となる細菌は、土や水、ヒトや動物の皮膚や腸内にも存在しており、特別な菌というわけではありません。

そのため、食品を加工する途中で菌がついてしまったり、家庭で調理したものを暖かい部屋に長時間置いたままにしておくと、細菌が増え、食中毒を起こす可能性が高まります。食中毒予防の3原則は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」です。

では、食中毒になってしまったらどうしたらいいか。基本的に症状は有害物質が身体を通る順番、つまり嘔吐や胃痛(胃の症状)から始まり、次に下痢や下腹部痛(腸の症状)へと移行します。嘔吐や下痢によって水分や電解質が失われ、体力も消耗しますが、無理に何か食べようと頑張っても身体が受け付けません。

症状があるときは、ひとまず水分(できれば電解質を補給できるスポーツドリンク)だけは少しずつ摂り、安静にしましょう。水分も摂れない、ぐったりして意識を失う等の症状があれば、そのときは迷わず医療機関への受診や救急要請をお願いします。下痢が続くときは、腸が炎症を起こしているサインです。

栄養の吸収能力も低下しているので、頑張って食べても栄養が吸収されず、かえって下痢症状を長引かせてしまう可能性があります。下痢の間は食事はお休みして、下痢が治まったらおかゆやうどんなど消化のいいものから挑戦してみましょう。くれぐれも水分は意識して摂って下さいね。ちなみに、よく胃腸炎の際の抗生剤について質問されることがあります。

辛い症状、一刻も早く有害物質を排除して楽になりたいですよね。ただ、基本的にウイルス感染の場合は抗生剤は効きません。細菌感染かウイルス感染かは食べたものや血液検査等で判断できることがあります。また細菌感染が疑われる場合も、抗生剤が有効かどうかは発症からの日数等総合的な判断が必要となりますので、まずは抗生剤が有効なものかどうか医師にご相談を。

今年も暑い日が続きます。まずは衛生面に十分注意し、美味しく楽しい食生活を心がけましょう。

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